〜2021 Miss SAKE Japan ファイナリスト一人一人の想い〜
「第15回ナデシコプログラム講義内容」
- 株式会社Clear 代表取締役CEO 生駒龍史様 ご講義
- 最終選考会プレリハーサル
ファイナリストが振袖を着装して参加した第15回ナデシコプログラム。華やかさと緊張感の ある一日となりました。
【伝統ある日本酒、その未来を切り拓く】
午前は、株式会社Clear代表取締役 CEO 生駒龍史様より日本酒業界の現 状・課題に関するお話を賜りました。
Clearという御社名には、[動]切り拓く [形]透明な、澄んだという二つの意味 が込められているとのことです。
生駒様は”澄み切った日本酒の可能性に挑戦し、未知の市場を切り拓く”というミッションを掲げて、精力的に日本酒の魅力発信に取り組まれていらっしゃいま す。
2つのサービス ”SAKETIMES”(日 本酒専門WEBメディア)、”SAKE HUNDRED”(最高峰の品質で心を満たし人生を彩る日本酒ラグジュアリーブランド)を軸に日本酒の未来を牽引する生駒様より,それぞれの事業について詳しくお話を伺いました。
初めて日本酒を飲む方に、まずは飲んでみて下さいと勧めることは少しハードルが高いことです。
誰もが情報をスマートフォンから簡単に得られる現代であるからこそ、”知る”ことが日本酒の第一歩であると生駒様は考えていらっしゃいます。
SAKETIMESは日本酒専門の情報インフラとして、日本酒に関する知識や商品情報を幅広く発信しています。
大の日本酒好きである私は、SAKETIMESの記事にて、気になる日本酒・飲食店情報を頻繁にチェックしております。
日本酒の魅力の伝え手という同じ立場にある者として、記事の内容とともに発信の仕方についても多くを学ばせていただいております。
- 日本酒の背景にある造り手のストーリーを交えつつ、美味しい食とともに紹介する。
- 英語話者向けのサイトでは、海外の方が興味を惹かれるような日本文化や 他の酒類と絡めて日本酒を紹介する。
日本酒の魅力が最も際立つ場面に注目している、非常に効果的な発信方法であると感じました。
「伝えたい人に伝わる書き方」という生駒様のお言葉が記事からもありありと感じられ、伝えたい相手を具体的にイメージして発信するということの重要性を実感致しました。
伝えたいことばかりが先行して独りよがりになってしまうことがないように、 相手ファーストな発信を心がけてまいりたいと思います。
日本酒のラグジュアリーマーケットSAKE HUNDRED
日本酒のメーカー市場規模は4300億円、これに対してワインは9.5兆円に上るといいます。
高い醸造技術、こだわり抜いて作られた繊細な味わいを持つにもかかわらず、他の酒類と比較すると安価な価格帯である日本酒。
この点に疑問を感じた生駒様は、日本酒のラグジュアリーマーケットSAKE HUNDREDを立ち上げられました。
HermesやDom Perignonといった世界の一流ブランドのブランド戦略を採用し、品質のみならず精神性や奥深さを湛えた日本酒の価値に注目したブランディングに取り組んでいらっしゃいます。
さらに、森林破壊していない木材を使った紙ラベルの使用、輸送ガス削減を目的としたボトル軽量化などSDGsへの積極的な取り組みにも力を入れていらっしゃいます。
高い品質への探求に関しては多くの酒蔵様が熱心に向き合っていらっしゃいますが、ブランドとして世界的な認知を確立するという点においてはまだ途上にあるという
ことに、生駒様のお話を通して改めて気づきを得ることができました。
日本酒の価値に適切な高い評価を見出すことで、世界各国の富裕層などの新たなニーズを牽引するという革新的な取り組み。
現状に問題点を見つけるという段階でとどまることなく、その打開策を構想して実行に移す生駒様の創造力・行動力に、強い感銘と刺激を受けました。
「SAKE HUNDREDブランドの日本酒を20歳になったら買いたいと思ってる、と若者たちに言ってもらえるようなブランドに成長させたい」
とお話しされている生駒様の未来を見据える力強い眼に、日本酒の明るい未来が映り込んで いるような感覚を私は覚えました。
そして最後に、伝え手という同じ立場として、生駒様が私たちMiss SAKEに期待することとしてお話し下さった言葉が、強く印象に残りました。
「世界と日本をつなぐ存在になってください。その時にどちらの方向を向くかが重要です。内側ばかりではなく外側を向くことを忘れないでください。」
架け橋としての方向性にも考えを巡らせる必要性がある、ということに改めて気づかせて頂いたお言葉でした。
自国のみで自己完結してしまうのではなく、日本酒・日本文化を国外へも牽引することができるアンバサダーを目指してまいります。
【ファイナリスト19名一人一人の想い】
午後のプログラムでは、6月21日に行われます『2021 Miss SAKE 最終選考会』を直前に控え、プレリハーサルを行いました。
一般社団法人ミス日本酒 代表理事 愛葉 宣明様、事務局長 中村信次郎様のご指導の下、最終選考会で行う1分間スピーチの 内容を中心に、当日の流れを確認致しまし た。
ファイナリストの皆様のスピーチをこの日初めて聞くことができました。
ファイナリスト19名。”十九人十九色”の日本酒・日本文化への熱い思いが込められているスピーチに、これまでのナデシコプログラムでの 光景がフラッシュバックしたことも重なり、胸が熱くなるのを感じました。
地域貢献、食育、コロナ禍での飲食店への思い、それぞれの目的・決意があって集まったファイナリスト達と、日本酒を通して日本文化を発信するという一つの同じゴールに向かって切磋琢磨してきた2ヵ月半は、私の人生において最も刺激的な時間であったように思います。
私にとって自ら新しい環境に身を置いて自己研鑽に励むといった経験は人生において初めてのことであり、振袖の自装や動画作成といった新たな挑戦や、自分らしさとは何であるかに向き合う時間を通して、一回りも二回りも成長することができました。
この素晴らしい経験を与えて頂けたことに改めて深い感謝の念を抱くとともに、多くの学びを得た者としての使命感が自分の中で沸き起こってくることを感じております。
1分という限られた時間の中に、Miss SAKEへの気持ちをできる限り詰め込むことは非常に難しいものでした。
私は”何のために、誰に向けて、Miss SAKEに挑戦したのか、どんなMiss SAKE になるのか”
第2回のナデシコプログラムで2020 Miss SAKE Japan 松井詩様にお話を伺ってから今日まで、何度も何度も自問自答を繰り返してまいりました。
試行錯誤を重ねて完成したス ピーチには、日本酒を通して今の私にできること、Miss SAKEへの決意表明の思いを込めまし た。
リハーサルでは緊張から数度詰まってしまうことがありました。緊張に対する最良の薬は、と にかく多くの練習とイメージトレーニングです。
新型コロナウイルスの影響で、最終選考会の公開 開催は中止となってしまいましたが、最終選考会の場で自分の思いの丈を余すことなく皆様にお伝えできるよう、あと二週間、最高の準備をしてまいりたいと思います。
2021 Miss SAKE 長野代表 糟谷恵理子