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2021 Miss SAKE 宮城 斉藤百香 / 第16回ナデシコプログラムレポート

~お寺は良き習慣の道場~

第16回ナデシコプログラムは、講師に未来の住職塾 塾長 光明寺僧侶 松本紹圭さまをお迎えし、お話を伺いました。

私は実家が曹洞宗のお寺なこと、そして以前から松本様の活動を知っていたので、こうして直接お話を伺うことをとても楽しみにしておりました。

松本様から語られる「お寺」像は、私が持っていた従来のイメージとは全く違う、あたらしい世界が開かれていました。

松本紹圭さまは、神谷町にある光明寺に属する僧侶でいらっしゃいます。

松本様はおじいさまが住職をされていて、「おじいちゃんの家がお寺」だったそう。

直接の関わりではなかったものの、幼い頃からお寺には親しみがあったとのことです。

お寺との距離感でいうと、私の境遇は松本様と少し似ているものかもしれません。

わたしは父が住職ではありますが,お寺と住居は別にあり、家族で住んでいる住居は仙台、お寺は山形県にあります。

お寺には普段は祖父母が住んでおり、父は仙台で働きながら通い住職をしているのです。

そんな父に連れられ、お盆やお正月はもちろん、学校が休みの日は大抵お寺ですごしました。

私にとってお寺は身近なもので、第二の家であり、遊び場であり、神聖な場でもありました。

お盆には家族みんなでご先祖さまをお迎えする準備をしたり。
年末には除夜の鐘を鳴らしたり・・。

思い返すと、松本様のおっしゃる通りお寺は「良き習慣の道場」、お寺というもの自体が、そもそも習慣で構築される文化な気がします。

そんなお寺には、伝統が閉じ込められ世の中とリンクしていない感覚を持った松本様は、その扉を開き橋をかける活動を始めます。

テンプルモーニング(朝、お寺に集い皆で掃除をする会)をはじめたり、お寺カフェを作ったり、未来の住職塾と呼ばれるお坊さんに向けての塾を開校したり。

中でも、新しい取り組みとしてその仕組みを評価されグッドデザイン賞を受賞した「お寺おやつクラブ」は、独創的かつ画期的でとても驚きました。

貧困社会にお寺のお供え物をお分けする・・確かに我が家にも行き場のない大量のお供え物があります。

それをうまく回せるしくみは、SDGsの観点からも積極的に活用していくべきだなと思いました。

松本様からは、他にも

  • ポジショントークをしないこと
  • 出番があるから居場所ができること
  • 「伝えること」から「繋がること」へ
  • シンプルで本質的なものほど越境すること

など、書ききれないくらいの学びを与えてくださいました。

やはり仏教は哲学であると思いますし、それを通した学びは世界共通で誰もが生きるヒントをもらえると思います。

「お寺とはなんだろうか?」

少しではありますが仏教に関わるものとして、そう考えるきっかけにもなりました。

松本様はお寺の存在意義を以下のようにおっしゃっておりました。

「生きる意味を問い、生きているという経験を取り戻す舞台環境。意味世界に生きている我々が正気を取り戻すためにお寺はある。」

そのテーマに惹かれ、父にも聞いてみました。

父は

「人が生きていることが交差し混じり合い支え合うところ。死の影のないところに本当の生はない。しかし、そういう切羽詰まった生が一旦、生死流転というフィルターを通して交流させるという機能がお寺にはあるのではないか」

と答えました。

つまりそれは、先祖とつながる感覚であるとのこと。

父の考えでは、亡くなった人はいなくなったのではなく、生きてる人と共にいると考えているそうです。

亡くなった人は生きてる人に導きと、勇気と、安心と、「生きる意味」を与えている。

亡くなった多くの人たちはまだまだ生きたかったはず。

だから彼らは「生きてる方がずっといい」というメッセージを私たちにくれてる。

そういう亡くなった人との繋がりを感じさせるのがお寺の一つのありがたさである・・・

とのことでした。

松本様の解釈とはまた違う角度からではありますが、根っこの部分で近いものを感じられます。

誰しもが自由な発想で、自由な角度からお寺を捉え、学び、生活に溶け込ませていく。

改めて、仏教は自由なのだと感じさせられます。

父にこうしてお寺の存在意義や仏教への向き合い方など問いかけた事がなかったので、そう言った豊かな時間も松本様の講義をきっかけに得られました。

この日が最後のナデシコプログラム。

最後のご講義で、こうして自分の人生に深く関わってきた「仏教」を学べて本当に良かったと思います。

仏教やお寺の現代との関わり方に可能性を感じられる時間となりました。

そして、お寺側にいるからこそできることはなんだろうと考えるきっかけにもなりました。

ラジオパーソナリティであり、いち被災者であり、お寺の子であり、Miss SAKEであること。

私にしかない経験から、私だから伝えられる日本の姿がある気がします。

私に見えている日本の姿を、私だから伝えられる表現で、Miss SAKEとして世界に発信してゆく。

ファイナリスト一同、今は6月21日の最終選考会をを目指していますが、その日で終わりではなく、始まりなのです。

始まりの日にむけ、より自分を磨き、高めて参りたいと思います。

改めまして、未来の住職塾 塾長 光明寺僧侶 松本 紹圭さま、貴重なお話を、ありがとうございました。

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