【第4回ナデシコプログラム概要】
- 日時:2021年4月3日
- 講師:前井雅美先生、山田祐美子先生
活動内容
本日は、お振袖の着付け講座2日目。今回は、飾り帯の「ふくら雀」を作って、お振袖を最後まで自分で着付ける方法を教わりました。
午後からは、ネイルセルフケア・パーフェクト付け睫毛、及びメイク講座を受講させていただきました。
また、ご講義の終了後、青森代表 落合さん、宮城代表 斉藤さん、そして京都代表 森上さんと共にスタジオを借りて、お振袖の自装を復習しました。
学んだこと
① 【着付け講座】
「美しさ」を追い求めることが私の「素質」だとしたら、着付けの帯はその素質を「栽培」して日本文化を身につけるための格好の的
着付け講座の2日目は、帯で「ふくら雀」を作ってお振袖の自装を完成させるところまで教わりました。
受講後に残ったのは、帯をつくる作業が「楽しい!」「好き!」という純粋な気持ちでした。全身運動だったので、体力的には疲れ果ててヘトヘトでしたが・・。難関に思えていた着付け講座で、帯を綺麗につくりあげていく作業が「好きだ」と思えたことは、私にとって嬉しい出来事。心は逆に、元気をいただいたような気持ちでした。
Miss SAKEの一員としてナデシコプログラムを受講させていただくようになってから、ずっと考えていたことがあります。これまで、クラシックバレエやドイツ留学、フランス企業での就業経験と、西洋文化に触れる機会が多かった自分が、今から日本文化を学び発信する人間になれるのかという不安です。
飾り帯「ふくら雀」との出会いは、そんな不安を払拭してくれるきっかけとなる幸せな瞬間でした。
昭和の知識人と呼ばれる小林秀雄は、著書『読書について』におさめられている「文化について」という章で、フランス人哲学者ジンメルの言葉を借りて、林檎の木を例に出しながら「文化」とは何かについて論じています。
林檎の木を人間の知識によって工夫し、野性の実よりも立派な実を成らすことに成功したならば、原始的だったその林檎の木は「文化的」になったと言える。しかし、林檎の木を伐採して家を建てたり椅子を作ったりするのであれば、それは林檎の木にとって文化的であるとはちっとも言えない、と要約するとそんなようなことを言っています。
ここでのポイントは、林檎の木がもともと持っている「素質」つまり“立派な実を成らす”という特性を、「栽培」したかどうかだと私は思っています。小林秀雄の言葉を受けて、「文化を身につける」という行為を、私は以下のように理解しています。
文化を身につけるとは、外部から取り入れた知識や経験を通じて、自分の「素質」を「栽培」すること。例えば、歌舞伎についての本をたくさん読み、知識や概念を会得して、色んな演目を観に行ったとします。しかし、その経験が自分の中の素質を育てなければ、歌舞伎という文化を身につけたとは言えないということです。
帯の話に戻りますと、私は帯を美しく作りあげていく作業が大変ながらも「楽しい!」「好きだ!」と思いました。美しさを追い求められることは、ある意味人間だけに与えられた特権です。美しく表現したい、それが言葉遣いや立ち居振る舞い、他者への気遣いでも何でも良いです。そんな風に思えること自体が、私たち人間が持つ「素質」だと私には思えます。
美しい帯をつくりたい、美しく着物を着たい、そう思うことが私の素質だとするなら、それを栽培することで、私は着付けを通じて日本文化を身につけられるような気がしています。
着付け講座のなかで前井先生は、私たち一人ひとりの様子を見て回りながらよく、「美しくしようと思えば、なんとでもできるんですから」と諭して手直ししてくださいました。本当に、その通りだと思います。
飾り帯の「ふくら雀」は、心を前向きにしてくれる幸せの鳥との出会いでした。あとは訓練あるのみです。着物を美しく着ていらっしゃる方の姿から学びながら、1歩でも日本文化に近づくため復習に復習を重ねてまいりたい所存です。
前井先生、本日もありがとうございました!
ご講義後、宮城代表の斉藤さん、青森代表の落合さん、京都代表の森上さんと居残り特訓で、教わった着付け手順をみんなでおさらいしました。
②【メイク講座】
「美しさ」は自分で努力してつくるもの
ネイルセルフケア・パーフェクト付け睫毛、及びメイク講座では、山田裕美子先生から美しい爪の手入れ方法、付け睫毛の付け方、そしてメイクの基礎について学びました。
ファイナリスト発表会で初めてお目にかかってから、私は心の中で勝手に裕美子先生の弟子になるつもりで(大袈裟ですね…)、以降受講を楽しみにしておりました。ご自身が「美」を体現されていらっしゃるような魅力的な女性ですので、ご講義の内容はもちろんのこと、先生の話し方や表情からも余すことなくお勉強させていただきたいと思い、前のめりに受講させていただきました。
睫毛や皮膚がどういう状態になったら美しいのか、どう磨いていくのか、理論から実践まで学びました。そう「自分には色々な課題があるなあ」と思いながら、その中で特に気になったのはネイルのお手入れでした。というのも、仕事柄PCを使って稼働している時間が長く、会議で表情や姿勢に気を付けることはあっても、PCで隠れる指先に意識を向けたことがなかったのです。それどころか、「タイピングがしやすく、カチャカチャと音が鳴るのが嫌だから」という理由で、短く不格好に切り揃えてきた私の爪はお世辞にも美しいとは言えない姿かたちをしています。
オードリーヘップバーンがかつて「世界一美しい目の持ち主」と賞賛されたのに対して「いいえ、世界一美しい目のメイクです」と返したと、彼女の言葉を収録した本で読んだのを思い出しました。彼女ほどの美貌の持ち主でも、欠点だと思うことを徹底的に磨き上げる努力をしてきたのです。
一目見て「なんて綺麗な女性だろう」と思った裕美子先生も、きっと指先まで、睫毛の先まで、何が自分に合うのか研究に研究を重ねられて、自分の魅力を最大限に引き出す努力をされているのだと理解しました。
私の今の爪は、他の方よりも努力をしなければいけない状態ですが、早速キューティクルオイルを購入し、夜はお風呂で人生で初めて「甘皮・キューティクル」と呼ばれる爪の根元に薄く張った皮膚の膜をお手入れしてみました。
世界的トップモデルの冨永愛さんも、自身の著書で「お風呂で身体を洗うときは必ず素手を使って全身のコンディションを確かめる時間にしている」と書かれていました。頭の先からつま先まで美しい女性は、きっと私には想像もつかないような努力を重ねてきたはずです。
これまでは想像できなかったとしても、今日からは裕美子先生から学んだことが頭の中にあります。まずは、爪やお肌のお手入れと、内側の健康管理から自分でも勉強しながら誰よりも努力していきたいです。
裕美子先生、貴重なお時間をありがとうございました。
パーソナルレッスンでお目にかかれるのを楽しみにしています。