Miss SAKE News/Blog

2021 Miss SAKE 京都 中野由美子 / 第6回ナデシコプログラムレポート

【プログラム概要】
  • 講師:
    • アントキの猪木様
    • オペラ歌手 小川 里美様
    • 国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構 研究開発部門 主任、一般社団法人ニュースペース国際戦略研究所NGSL 岩渕 泰晶様
【講義内容】

本日 2021年4月17日は、2週間ぶりのナデシコプログラムでした。

午前中には、タレント アントキの猪木様とのセッション(?)

始終スタジオは笑いが絶えず、これまでのプログラムとはガラッと雰囲気が違い、非常に楽しい時間でした。

午後は、オペラ歌手・声楽家の小川 里美様から歌う仕事についてのご講義を、そしてJAXAの岩淵 泰晶様から宇宙を起点としたロマンあふれるご講義を賜りました。

それぞれにプロフェッションが異なるお三方からのお話は、学びがてんこ盛りが盛りで、自分なりに咀嚼しアウトプットできるまでにはまだ少し時間がかかりそうです。

【学んだこと】

①【アントキの猪木様】人間味あふれる温かい人柄

茨城県ご出身のアントキの猪木様は、タレントという肩書意外にも多様なご経歴をお持ちでした。

小学生から高校までの野球少年時代のことから、建築事務所や役所での会社員・職員時代、そして、24時間365日アントキの猪木役を演じたタレント活動注力期まで。ご自身の人生のエピソードを交えながら、終始笑いに溢れるお話をしてくださいました。

「メモとるようなこと話してませんから!」

と、度々おっしゃっていましたが、私としてはアントキの猪木様の人間性が随所に垣間見える、稀有な体験談ばかりで、メモが追いつかなかったという印象があるくらい。

あっという間の1.5時間でした。

■印象的だったのは、人間味のある温かい雰囲気

一連のエピソードや話し方を聞いていて印象的だったのは、アントキの猪木様の人柄の良さ、人望の厚さ、そして人と人を繋ぐ圧倒的なセンス(素質なのか、もしくは後天的に努力して身につけられたのかもしれません)です。

色んな経験をして辛酸も舐めて、でも底抜けた明るさと人懐っこさでもって人を惹きつけて、そういう人のところに大勢の人やチャンスが集まるのだな、ということを学んだように思います。

もちろん、お話には出てこなかった辛いことや大変な時期も、人一倍ご経験されたと思います。

でも、人との繋がりを諦めない、どんな状況でも周りの人と人を繋げることを考えて人間関係を大事にする、その積み重ねで厚い人望を築き上げられてきたのだなあ、と。

「1枚のものを100枚にすることはできる。0枚のものを1枚のものにすることはできない。」

モノマネという文脈でそんな言葉がありましたが、私は、アントキの猪木様がここまでずっとされてきた「出会うはずのなかった誰かと誰か」を繋ぎ合わせる活動こそ、0を1にする才能なのではないかと思います。

そこには人間らしい・温かい空気が漂っていて、人柄の良さが全面に感ぜられ、私は講義が終わるころにはアントキの猪木様のことが大好きになったのです。なぜなら、それらは結果的に誰かのためになる活動だからです。

誰かと誰かが繋がって、そこで新しいアイデアや動きが生まれる。そうすると、それを享受するオーディエンスが生まれる。なんだか、私が普段仕事で考えているマーケティングにも通ずるところがありそうです。

私の仕事ももしかしたら、誰かと誰かをもっと繋げて、まだなかった新しいアイデアや価値を生み出せるのかもしれないと思うと、ワクワクしました。

■ひとりよりふたり、ふたりより大勢

「結託すると、自分の能力以外のものがでてくる。アイデア・人脈・財力が集まってくるでしょう。」

アントキの猪木様のこの一言は、Miss SAKEとしての活動にも関係する印象的な一言でした。

同時に、結託すると言うには、まだ私はファイナリストのみんなのことをよく知らなすぎるし、みんなとちゃんと話そうともしてこなかったなと反省しました。

アントキの猪木様も仰っていましたが、お酒を交わすと本音で話せるというのは事実と思います。ちゃんと話すのが億劫なら、今後一杯飲みを誘ってみようかな。みんなとの関わり方・距離感に悩み始めていた時期に、明るい糸口を提案していただいたという風に思います。

自分が楽しめば相手も楽しめる、というアントキの猪木様精神を学んだ1.5時間。

他のファイナリストの方が、「日本酒を通じて日本文化を広めたい」なのか、「とにかくお酒が好き」なのか、「Miss SAKE Japanのタイトルが欲しい」なのか分かりません。でも同じところに集まったのであれば、何か共通点があるはずです。

どうせいっしょにやるなら、自分もみんなも楽しいほうがいい。そのためには、まずは自分が楽しむ精神で、ご飯に誘って美味しいお酒を飲んで、本音で話してみたいと思います。

アントキの猪木様、とってもパワフルで楽しくて、学び多き貴重な時間をありがとうございました!

②【小川 里美様】何をやるか、よりも、それを通じてどんな自分になりたいか

日本を代表するオペラ歌手、小川里美様から「歌う仕事について」というテーマでご講義を賜りました。

イタリアや日本で、オペラ歌手として舞台に立ち歌う仕事をしていらっしゃる小川様は、実はミスユニバースジャパンのタイトルホルダーでもあり、第6代 酒サムライでもいらっしゃいます。

■何歳になっても勉強したい

そんな小川様は、「勉強」「何歳になっても知らないことを知ることはできる」というフレーズを頻繁に使われていたのが印象的でした。

酒サムライを任命されるくらいなので、日本酒がお好きでよくお飲みになるとのことですが、お勉強範囲はお酒に留まらず、派生してお着物の着付けも学んでいらっしゃるとのことです。それも!着付けを契機に、お着物のこと、蚕やまゆのこと、そして着物を織る人のことまでを学ぶようになられたと聞いて、その知的好奇心や探求心、ひとつのことを追求する職人のような気質を感じました。

シェイクスピアの演目「マクベス」で、マクベス夫人を演じることになった時を振り返ってのお話も興味深かったです。

夫が王座を得るために手段を選ばない夫人が、「なぜそこでこう言ったのか」「なぜここでそうしたのか」を掘り下げて考え続けて、ある時ガッテンがいくときがあるのだとか。演技をしているとき以外の日常でも、想像を膨らませて役を追求しいくという、華やかな舞台の裏側を知りました。

■自分に嘘がないようにしたい

「欲や思惑があると、欲張ったり、嘘が入ってしまうこともある。自分が演奏することに嘘がないといいなあ。」

名だたる舞台に立つときにも、自分がその劇場に立ちたい、今の自分はそれにふさわしいか、ということを自問する。嘘がないようにしたい。という、ある種ストイックな姿勢も印象的でした。

「歌うことを通して成長することを選んだと、後になって思う。」

「いい時も悪い時もそばにいる親友という感じで、一緒にいることで、自分自身や歌のことを見直していくことができる。」

この小川様の言葉は、私の胸に刺さりました。

私は3歳でクラシックバレエを始め、そこから約15年間、学業以外はずっとお稽古をしているか、バレエのことを考えているという日々を過ごしていました。(当時は、それでも全然足りないと思っていたのです。)そんな日々を振り返ると、私はただバレエを習ったというよりは、バレエを通じて生き方を学んだというふうに思っています。

もはや、好きだから15年続けた・嫌いだから15年で辞めたという感情ではなく、バレエと向き合う時間を使って自分自身と向き合い「今のままでいいの?後で後悔しない自分で居られている?」と問いかける自分の核が生まれたという感じです。

そんなバレエとの関わり方を思い出しながら、小川様の「嘘がないようにしたい」という言葉がピッタリくるような気がして、嬉しく思いました。

■どんな自分になりたいの?を自問

小川様の雰囲気は柔らかくて、終始とても落ち着いた口調でお話をしてくださいましたが、私は「何をやるかも大事だけど、それを通じて何がしたいのか、どんな自分になりたいのかを思い描くことがもっと大事」という強いメッセージを受け取ったように思います。

何歳になっても勉強はできる。きっかけはある。それは素敵なこと。

Miss SAKEとして活動することも、少し前の私にとっては想像もしていなかった出来事ですが、Miss SAKEの活動を通じてどんな自分になりたいか、思い描いてこれからの時間を過ごそうと思います。

分かりやすいので、見た目から入ります。

普段カジュアルでラフな格好で過ごしがちですが、翌日からしっかりヒールを履いて、汚すからと着なかった白いパンツで出かけて、毎日違うアイメイクをして、纏う香りにも気遣ってみます。そして、同志であるファイナリストの素敵な方たちから、互いにいい影響を渡し合えると素敵だなと思います。

次の課題は、ハキハキ話すこと、声をお腹から出すこと、表情です。お手本は周りにたくさんいらっしゃるので、一つずつクリアしていきたいです。

小川様、貴重なお話をありがとうございました!

③【岩渕 泰晶様】日本人が宇宙に夢見たロマン、そしてMiss SAKEにも通ずる多様性に対する課題感

Miss SAKEでは、日本の最先端技術を知っておくことを目的に、JAXAとのお付き合いは長きに渡るとのことです。そんなJAXAから、岩淵様が「最先端の宇宙開発、そして人文社会との関連性」というテーマでお話をしてくださいました。

JAXAでプロジェクトマネジメントをされている岩淵様は、「宇宙開発は総合芸術であり、いろんなことが融合している」とおっしゃいます。ご講義は宇宙開発の話に始まり、経営学や社会学の視点も交え、複合的な人文社会との接点についてのお話にまで、本当に多岐にわたりました。

うーん!噛めば噛むほどな、ヒント満載の2時間!!!

日本人は昔から宇宙が大好き。竹から生まれたかぐや姫の例では、星のことを筒と呼んでいた時代、空に見える星は暗闇に筒を指して覗き込んだ先に光り輝く世界があると考えられたのだとか。筒から生まれたかぐや姫が、今度は筒の先に帰って行ったという解釈ができるのでは?と言う岩淵様。なんてロマンあふれる考察でしょう!

■宇宙開発の仕事の中で見出した「多様性の重要性」とは?

入社2年目のとき、種子島でのロケットの打ち上げを見て、宇宙へのロマンを抱きそれ以来ずっとJAXAで働いているという岩淵様ですが、専門は経済学で、ダイバーシティ・多様性の重要性に着目されて多方面での取り組みをされているとのことです。

ダイバーシティの文脈で、平等と公平(EqualityとFairness)について触れられていました。そこには、日本を代表する女性学者である上野千鶴子氏の考えに通ずるものがあると思いました。

東大入学式祝辞にて上野千鶴子氏は、「フェミニズムはけっして女も男のようにふるまいたいとか、弱者が強者になりたいという思想ではありません。フェミニズムは弱者が弱者のままで尊重されることを求める思想です。」と言っています。

そんな岩渕様に聞いてみました。

Q.経営学の視点も踏まえて宇宙開発のプロジェクトマネジメントをお考えの中で、何度も「ダイバーシティー」というキーワードが聞かれました。岩渕様が、宇宙開発の中で多様性を重視される理由は何ですか?

岩淵様曰く、
「日本で年をとった人って、楽しそうに見えないなと思った。自分自身や個性を大事にすることができていないのでは?という課題意識。新しいことは危険という思想を取り払って、その中身である個性や素質をクローズアップしたい。そうなると、多様性を重視する必要がある。」

とのこと。

宇宙学では、宇宙飛行士は人類の財産だと考えられているそうです。国籍も年齢も関係ないのが宇宙開発なのだという点にヒントがあります。そんな宇宙を研究対象にされているからこそ、ダイバーシティへの課題感を抱かれるようになったのではないかと思いました。

■日本酒における多様性の重要性

ダイバーシティはMiss SAKEの活動においても重要な課題だと思います。

産地や製法、米の種類によって味も趣も様々な日本酒は、多様な価値観を持つ飲み手が旅をするにはピッタリな世界!そのダイバーシティを武器に、あとはいかに各々にとってのベスト・ワンに出会ってもらうかを考えることが必要なのではないでしょうか?

とはいえ、岩淵様のように溢れんばかりのアイデアは私にはまだありません。しかし、今日はヒントを沢山いただきました。

宇宙プロジェクトを世界の開発機構といっしょに取り組むと、慰労会があるのだとか。何フロアもビルを借りて、各国がブースで食事や文化を紹介するようです。そんな中、ダントツで人気なのは日本フロア!外交の意味でも、日本のSAKEをはじめとする食文化は重要な役割を果たすことができるのだということを教わりました。

私たちファイナリストには振袖という日本文化もあれば、ナデシコプログラムで各界を代表される方々からのお話もあり。それらを自分のアセットにして、動く広告塔になることが、私たちファイナリストができる第一歩ではないかと思料します。

==メモ=====================================

★読みたい本:宮沢賢治「農民芸術概論概要」

異なるものを融合することが、日本人は昔から上手だったんじゃないか?と思わされる一冊だとのこと。(西洋は理論を作るのは上手だけどやり過ぎてしまう。←好き。)

★学ぶことについて:

アーツ・・・自分が奴隷にならないために自立するために学ぶこと

サイエンス・・・議論を通じて社会に貢献すること

=========================================

ボリューミーな内容でしたが、岩渕様の思想が垣間見れるお話でした。

視点を変えれば、宇宙も芸術も経営も日本酒も繋がる。自由な発想が非常に面白かったです。また、湧き水のようにアイデアや知識が溢れてくる方で、正直2時間では足りませんでした!笑

岩淵様、貴重なお時間をありがとうございました。

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