皆様こんにちは、2024 Miss SAKE Japan 南侑里です。
2025年6月22日、大阪・関西万博のEARTH MARTパビリオンにMiss SAKEのメンバーが訪問させていただきました。弊社団 大西美香代表理事同行のもと、Miss SAKEメンバー、そして今回大阪・関西万博 関西パビリオン 多目的ホール「Womenʼs Health ブース」にて共催させていただいた一般社団法人Luvtelli 細川モモ様とともに訪問いたしました。
訪問メンバーは、2023 Miss SAKE Japan 山田琴子、2024 Miss SAKE Japan 南侑里、2025 Miss SAKE Japan 館農知里、2023 Miss SAKE 宮城代表 千田瑞穂、2024 Miss SAKE 岡山代表 小野愛理佐、2025 Miss SAKE 山形代表 平野紗理、2025 Miss SAKE 静岡代表 永田しおりの7名です。
EARTH MARTパビリオンとは
EARTH MARTパビリオンは、「食を通じていのちを考える」をテーマにした、空想のスーパーマーケット型の展示空間です。茅葺き屋根の温もりある外観の中には、“いのちのフロア”と“未来のフロア”の二層構造で構成された体験空間が広がっており、食という身近な営みの奥深さを、五感で感じることができました。「いのちのフロア」では、日常で見過ごしがちな“食の背景”に光が当てられており、「未来のフロア」では、日本の伝統食材やフードテックを通じて、これからの食文化を考える展示が展開されていました。
「EARTH FOODS 25」に日本酒が選出
「未来のフロア」の中でも特に注目を集めていたのが、「EARTH FOODS 25」のコーナーです。これは、日本ならではの食材や技術、知恵を、未来の食のヒントとして世界に発信していくという想いのもと選定された、25の象徴的な食品を紹介する展示です。
この25のひとつに「日本酒・みりん」が選ばれていることは、私たちMiss SAKEにとっても大きな誇りです。米と水と人の技が織りなす日本酒は、まさに日本人の精神や文化を映し出す“いのちのしずく”とも言える存在です。
本企画の検討委員を務められたのは「EARTH FOODS検討委員会」として、食業界の第一線で活躍されている有識者の下記の皆様です。
選定についての協議・検討を重ね、皆様のご見識のもと「日本酒・みりん」が未来を担う食として選出されたことに、改めて大きな意義を感じました。
小泉 武夫様(農学博士、東京農業大学名誉教授)
村田 吉弘様(菊乃井 三代目主人)
門上 武司様(フードコラムニスト、「あまから手帖」編集顧問)
辻 芳樹様(辻調理師専門学校校長、辻調グループ代表)
外村 仁様(Food Tech Studio – Bites!ファウンダー、元Apple マーケティング本部長)
野村 友里様(eatrip 主宰/料理人)
石川 伸一様(宮城大学食産業学群 教授「EARTH MART」アドバイザー)
大屋 洋子様(食生活ラボ 顧問・研究主幹)
出典:https://expo2025earthmart.jp/news/622
「いのちのフロア」
「いのちのフロア」で印象的だったのは、天井近くまで積み上げられた巨大な卵のモニュメントです。人が一生で食べるとされる約28,000個の卵が並ぶ光景は圧巻で、普段どれほど多くの命を無意識に消費しているのかを思い知らされました。その一粒一粒の背景には、生産者の努力や自然の営みがあることに改めて気づかされました。
「未来を見つめる鮨屋」
「未来のフロア」でひときわ目を奪われたのは、「未来を見つめる鮨屋」という展示。そこに立っていたのは、鮨職人の神様とも称される「すきやばし次郎」の小野二郎様――しかし、それは実際のご本人ではなく、最新の映像技術によって再現されたホログラフィック映像でした。
透過型ディスプレイの中に映し出されたその姿は、まるで本物の職人が目の前にいるかのような臨場感。握る所作や佇まいからは、長年にわたり寿司と向き合ってきた人生の重みや、美意識がにじみ出ておりました。
さらに驚かされたのは、使われていたネタが持続可能な養殖魚や品種改良魚であったこと。伝統的な技と未来の素材が共存するこの空間は、「過去を守る」だけではなく、「伝統をどう未来へつなげるか」ということを今一度考える機会となりました。
「UMEBOSHI 〜 BANPAKU-ZUKE 〜 2025→2050」
そしてもう一つ、忘れられない展示がありました。それが「UMEBOSHI 〜 BANPAKU-ZUKE 〜 2025→2050」です。
会場には大きな木樽が設置されており、中を覗くと、実際に梅が漬け込まれている様子を見ることができました。この展示では、枚数に限りはありますが、参加者が絵馬に願いや想いを書き記し、それを未来に託すという体験が用意されています。願いを書いた絵馬は、万博終了後に、万博漬けの梅干しと一緒に熊野本宮大社で御祈祷いただき、保管される予定だそうです。また来館者全員に、2050年にその梅干しを受け取ることができる“引き換え券”が手渡されるという、まさに“未来への約束”のような仕組みもあります。静かに佇むその樽の中には、何百人もの想いと時間が、梅とともに漬けられていることが伝わってきました。
私もこの体験に参加し、未来の自分への小さな手紙を書くような気持ちで、ひとつ願いを記しました。二十五年後、その梅干しを受け取るとき、どんな人生を歩んでいるのか。どんな思いでこの瞬間を思い出すのか――想像するだけで胸がいっぱいになりました。
食とは、ただ栄養を満たすものではなく、記憶を宿し、祈りをつなぐもの。この展示を通して、そんな大切なことを静かに、深く教えていただいたように思います。
最後に
日本酒もまた、いのちをつなぐ食文化のひとつです。米という命を削り、自然と人が対話を重ねて醸す一杯には、数えきれないほどの時間と手間、そして想いが込められています。それは単なる嗜好品ではなく、造り手の祈りと情熱が宿る、文化の結晶です。
EARTH MARTで過ごした時間は、「食べること」「いただくこと」の意味を見つめ直す、かけがえのない体験となりました。
このような貴重な機会をいただきました小山薫堂様、そして関係者の皆様に心より御礼申し上げます。これからも、日本酒という文化を通して、「いのちを感じる食」との向き合い方を、世界に伝えてまいります。
2024 Miss SAKE Japan 南 侑里